最高裁判所第三小法廷 昭和36(テ)25 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人平岡義雄の上告理由(一)、(二)について。
論旨は違憲をいうが、所論憲法三二条は何人も裁判所において裁判を受ける権利
のあることを規定したにすぎないもので、いかなる裁判所において裁判を受くべき
かの裁判所の組織、権限、審級等については、すべて法律において諸般の事情を考
慮して決定すべき立法政策の問題であつて、憲法には八一条を除くほか、特にこれ
を制限する規定の存しないことについては、すでに当裁判所大法廷判決の判示した
ところである(昭和二三年(れ)第二八一号同二五年二月一日大法廷判決・刑集四
巻二号八八頁、昭和二二年(れ)第一八八号同二三年七月七日大法廷判決・刑集二
巻八号八〇一頁)。されば、仮差押又は仮処分に関してなした判決に対して、通常
の上告をなし得ないものとした民訴法の規定の違憲でないことは、右大法廷判決の
趣旨に徴して明らかである(昭和三○年(テ)第一七号同三一年一二月一一日第三
小法廷判決・民集一〇巻一二号一五五〇頁)から、民訴法の右規定が憲法三二条に
違反するとの主張は採用することができない。そして、論旨中その余の部分は、そ
の実質は単なる法令違背の主張に帰し、特別上告適法の理由とならない。
よつて、民訴四〇九条ノ三、四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一
致で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 垂 水 克 己
裁判官 河 村 又 介
裁判官 高 橋 潔
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裁判官 石 坂 修 一
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